大手企業の粉飾決算が糾弾されています。不適切な会計は、企業の信用を失うだけではなく、法的責任を問われるなど、取り返しがつかない大きな問題に発展します。有効な予防法や対策はあるのでしょうか。検事・弁護氏双方の立場から不正会計に取り組んできた葉玉氏が、生々しい事例を交えて不正会計について語りました。
葉玉 匡美 氏
TMI総合法律事務所 パートナー弁護士
「不正会計」とは、公正妥当と認められない会計処理のことです。不正会計は、会社法、金融商品取引法、法人税法により、刑事罰、課徴金、重加算税などが科せられます。「重要なのは、会社ばかりではなく取締役個人も責任が問われることです」と、葉玉氏は訴えます。その実例として紹介されたのが水産会社F社の例です。
平成23年1月26日、F社の取締役3人が、子会社の架空循環取引を放置していたとして、株主代表訴訟で約19億円の損害賠償を命じられました。子会社の不良在庫増加の問題を認識し、公認会計士から指摘されたにもかかわらず、個別の契約書面などの確認、在庫の検品や担当者からの聞き取りを怠ったことが理由です。
株式の損失は、その額を計算しやすいことから、多くの訴訟事件が起きています。例えば光学機器メーカーのO社は、有価証券報告書の虚偽記載を理由に、海外の機関投資家ら86社から376億円の損害賠償を請求され、最大110億円を支払うことで和解しています。
取締役も損害賠償請求を受けます。ソフトウェア開発会社L社の取締役・監査役、監査法人らは、一審で総額76億円の損害賠償責任の判決が出ています。虚偽記載には刑事罰もあります。前出のO社元会長は、懲役2年6カ月、執行猶予4年を受けています。「課徴金や罰則だけではありません、マスコミに叩かれるなどレピュテーション被害も甚大です」と葉玉氏は警鐘を鳴らします。
図 虚偽記載に基づく損害賠償責任
つづきは…
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