機器商社における「案件対応型総合経営管理システム」導入事例
“一式販売・案件対応型”販売情報を中核に引合いから
データ活用まで全社でシステムと情報を統合。
リアルタイムな全社情報共有と活用体制を実現。
精密計測機器の商社・M工機では、30数年間にわたりオービックと築きあげたオフコンベースの自社オリジナルシステムから、OBIC7シリーズの“一式販売・案件対応型”販売情報システム、会計・給与システムに刷新。業務全体の効率化・スピードアップと併せ、リアルタイムに全社の情報を共有し、全国の営業マンによる積極的なデータ活用を実現した。
パッケージシステムをベースに全社統合システムへの移行を決断
M工機は創業以来、試験機・計測器の供給を通して、自動車、精密・電子機器、素材メーカーなどの技術革新を下支えしてきた専門商社だ。同社では、自社の業務特性に応じた自社オリジナルの情報システムをオフコンで構築し、活用してきた。その第一世代となった本社集中型システムを納入して以来、30数年間にわたり、オービックは同社の情報システムを一貫して手がけてきた。
社長は、同社の情報システムの変遷についてこう語る。「先代社長の時代からオフコンを導入し、自社オリジナルのシステムを構築してきました。今回導入したシステムは6回目のバージョンアップにあたります。今回の課題は、SFA（営業プロセス支援システム）と販売管理システムを連携した全体統合システムに改めること。システムの移行にはリスクも伴いますが、オービック情報システムセミナーで、業種特化型システムの『一式販売・案件対応型テンプレート』を知り、これならスムースに移行できるに違いないと判断。当社の業務や情報システムを熟知しているオービックさんに相談し、OBIC7『一式販売・案件対応型販売情報システム』を中核とする新システムへの刷新を決断しました。スムースなシステム移行と安定稼動ができ、また今回の導入により、営業・経理・総務・研究開発部門の統合による全体最適化を図ることも狙いでしたが、早くも満足できる結果が現れています」
企業価値の源「顧客満足の追求」に向けて、情報の活用を推進
M工機では、一人1台のPC活用が徹底されており、また本社と全国11営業所は高速光回線でリアルタイムに接続され、合計約100台のPCによる情報共有を実現している。
同社の得意先には大手企業が多く、しかも長期間にわたり取引が継続される場合が多い。得意先の研究・開発の傾向や業界のニーズを日頃から把握しておくことが、的確な提案営業には不可欠だ。例えば、車メーカーを担当する営業マンは、自動車に関する基礎的な技術情報を身につけておくことがセールス活動において有効だという。「専門的な知識も重要ですし、一般的な在庫販売と異なり、案件ごとに内容が異なることが、この仕事の苦労する点でもあり醍醐味でもあります。だいたい一つの案件を納めるには1年前後かかるケースが多いですね。納入後の手厚いフォローも、次回の引き合い獲得につながる重要な付加価値です」
社長は、同社のビジネスは日々「顧客満足（CS）」の追求だと言う。同社の新システムでは、販売情報だけでなく、SFA（営業プロセス支援システム）も含めた社内のさまざまな情報を共有している。これにより例えば、全国各地の営業マンが抱える案件内容や、商談の進捗状態、あるいは、納入後の入金状況などを、いつでも全員が見ることができる。営業活動の効率化や顧客サービスの向上のみならず、経理部門や研究開発部門も含め、情報共有のメリットは大きい。
経理部の課長は新システムについて…「長年にわたり熟成してきた自社独自のシステムを、パッケージに移行できるかどうかが最大のポイントでした。例えば、私たちでは『受注実績』を重要視し、受注時点から正確な管理を必要とします。また、1案件ごとに非常に多くの仕入を伴うことが多いため、案件ごとにシリアルNo.を持ち、その番号ひとつで、仕入・支払・入金などが全部分かるようになっていました。これらの機能が、標準パッケージでは対応していなかったのですが、個別案件対応のバージョンとカスタマイズでほぼ解決でき、また移行に際しては、オービックさんのSEが一生懸命に対応してくれたこともあり、スムースに移行することができました」
新システムを導入した現在では、情報活用の自由度が高まり、各拠点の営業マンが自らOLAP（データ分析）ツールを使って必要なデータを抽出し、Excelで活用することが当たり前に行われるようになった。従来は夜間バッチ処理していたデータも、現在ではリアルタイムで見ることができるようになり、よりスピーディかつ的確な対応が可能になったという。同社では、今後はさらに管理会計の強化や取引先との受発注のペーパーレス化、営業マンPCのモバイル化にも取り組んでいく計画だ。
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