情報システムセミナーレポート[2020年 新春] 経営管理 実践!データを使えば、会社はもっと強くなる

2020年2月7日(金) 東京会場

D31
13:00〜14:00
データを使えば、会社はもっと強くなる。
企業経営に活かすための「実践的データ分析」の勘所

西内 啓 氏
データビークル代表取締役最高製品責任者/統計家

データの解析手法はビジネスの目的に応じてどのように使い分けるのか?
データサイエンスの取り組みを成功させるための考え方やポイントとは?
企業の「データ資産」をどのように分析、活用し、効果の高い経営戦略へと繋げるのか?当セミナーでは、「統計学が最強の学問である」の著者である西内氏が、企業経営に活かすための実践的データ分析の手法を解説しました。

データ分析で利益5%アップ、ROIは13倍

1つのデータの分析から得られた結果から次のデータを分析していくデータドリブンにより経営の意思を決定していく会社は生産性がそれをやらない会社より5-6%高いという報告があります。生産性=利益と定義し、仮に5%で複利計算すると、「データドリブン」に取り組む会社と取り組まない会社では15年後に2倍以上の差が生じることになります。
一方、データ分析に関する投資のROI(費用対効果)は13倍というレポートもあります。データ分析によって圧倒的に大きな経営効果を引き出すことができるのです。

データ分析が経営に役立つためにはデータの蓄積がまず必要です。販売、営業、製造、開発、企画、保守、サービスすべての現場部門から上がってくる膨大なデータをただ蓄積するのではなく、経営に対する効果を検証したうえで、活用しやすく整備し、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールを活用して経営の意思決定に役立つように分析します。そのうえで経営は利益向上のための改善・改革策を決め、現場に指示を出し、その結果を評価する。このサイクルを回し続けることが重要です。

データ活用の理想

データ分析の3つの手法とは

データ分析には3つの手法があります。過去に起きたことを正確に把握する「記述的分析」と、なぜ起きたかの原因を明らかにする「診断的分析」、将来起きる確率を予測する「予測的分析」です。例えば商品販売においては、記述的分析では、昨日、今日の午前中、もっと言えば、1分前に何がどれだけ売れたのか、ものすごくきめ細かく分析します。診断的分析では社内の会議で「どうしたらこの製品がもっと売れるのかアイデアをください」と投げかけます。予測的分析では「この製品が来月にいくつ売れるか正確に教えてください」として、作りすぎ、仕入れすぎを回避し、リソース(資源)の最適化を図ります。

記述的分析ではデータを「見える化」するため、BIツールを使いますが、限界があります。売上やコストについて経験と勘に基づく仮説を裏付けるKPI(重要指標)データが得られたとしても、それは当たり前のことでしかありません。AI(人工知能)を使って顧客の購買行動を予測しても、分析の途中経過がブラックボックスで、現状の改善方法がわかりません。本来求めらているのは、例えば商品や売り場のイメージ、社員研修、店舗の立地場所をこう変えれば、いくら儲かりそうなど、具体的なアイデアにつながる診断的分析なのです。

従来ツールの役割分担

しかし診断的分析には多大なコストがかかります。専門家向け統計解析ツールはライセンス料が高額で、データサイエンティストの外注費も高額となります。その他、分析する環境も構築しなければなりません。こうして多大なコストをかけ、経営と現場をデータ分析でつなぐサイクルを回しても「当たり前の結果しか得られない」「結果をどう具体的な行動に移せばよいかわからない」状況に陥るリスクもあります。

すべての人がデータ分析可能に

私はデータ分析は本来専門家に委ねるものではないと考え、潟fータビークルを設立しました。「データサイエンスを全ての人に」をミッションに掲げ、お客様にノウハウを伝え、誰でもデータ分析できることを目指しています。業務データベースから分析用のデータを自動生成し、多様な変数から意味のある要因を自動探索、分析結果は自然言語とグラフで表示します。入力するのは経営課題だけで、最適な予測モデルを探索し、結果はたとえば年齢による購買動向の変化を年齢に区切って断面でお見せするなどわかりやすさを追求しています。

課題に対する我々のアプローチ

ガートナーの調査によれば、この市民データサイエンス、すなわち専門家ではない人もデータサイエンスを活用して自らの意思決定をより最適化する技術。は、黎明期から急激に期待度が高まり、「過度な期待」がかかったピーク期を経て、「当たり前の結果しか得られない」「分析結果をどう活用したらわからない」といった幻滅期に入り、今はデータ分析業界による啓蒙活動期にあり、これから安定期に入っていくものとみられます。
また、データ準備、洞察の生成、洞察の可視化を自動化する機能を備えた「拡張アナリティクス」技術の普及により、多くの状況でデータサイエンティストの関与が不要となると予想されます。

市民データサイエンスを経営に活かす時代へ

データ分析・活用の理想のサイクルでは、現場から効果を検証した上でデータを吸い上げ、活用しやすく整備したうえで、記述・診断・予測の3つの手法で分析、改善・改革の適切な手法を経営に提案し、経営者は適切な意思決定を行い現場に指示します。

市民データサイエンスに必要な人材は、数字と理屈で意思決定するリスクをとれるボスと、現場の事情と運用に肌感覚のあるエキスパート、どこからどのようにしてデータが生まれたか社内のデータのありかとITシステムに土地勘があるデータマネージャー、ITとハードワークが苦にならない若手/中堅社員からなる分析担当者です。それぞれが重要な役割を持ちますが、特に分析担当者はエクセルデータで分析ができ、現場とコミュニケーションがとれボスにわかりやすく説明できる能力と知的タフネスが問われます。

シティズンデータサイエンスに必要なポジション

データ分析に基づく意思決定は大きな利益を生みます。データ活用の理想サイクルを回すため市民データサイエンスが必要不可欠です。是非新たなデータの分析活用に取り組んで行きましょう。

まとめ

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