情報システムセミナーレポート[2019年 秋] 人事管理 働き方改革の大本命「同一労働同一賃金」への対応伝授

2019年11月12日(火) 東京会場

A31
13:30〜14:30
いよいよ対応が求められる働き方改革の大本命「同一労働同一賃金」
その基礎知識と対応のための具体的タスク

大津 章敬 氏
社会保険労務士法人名南経営 代表社員 / 株式会社名南経営コンサルティング 取締役

働き方改革の大本命「同一労働同一賃金」が来春から順次適用されます。パートや契約社員など非正規従業員と正社員の賃金にとどまらず、通勤や住宅、家族などの手当、賞与、退職金に広がり、定年後の継続雇用者と正社員の処遇差を是正する必要もあるなど、人事制度の大改変につながる可能性があります。大企業から中小企業まですべての企業に対応が求められる極めて重要な改革で、当セミナーでは同一労働同一賃金制度の基礎知識をはじめ身近な問題として参考になる裁判例、そして就業規則や賃金規程の見直し、労使合意の重要性などについてわかりやすく解説しました。

来春スタート! 正規と非正規 求められる合理的な説明責任

働き方改革の大本命「同一労働同一賃金」は大企業で2020年4月から中小企業で2021年4月から、一方、労働者派遣法では規模にかかわらず2020年4月から適用が始まる待ったなしの大きな課題です。

現実には既に求められている「同一労働同一賃金」

大津氏はすでに施行されている労働契約法20条にある「有期契約労働者の不合理な労働条件差別を禁止」に基づき最高裁はじめ全国各地の高裁でおりた判決や審理中の案件を取り上げながら、厚生労働省の指針や「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル」などに沿って、企業が取り組むべき就業規則や賃金規程の見直しを指南。さらに労使合意の重要性を強調して、企業へ準備を促しました。来春までもう数カ月です。時間がない中で、今できることと、将来にやるべきことを丁寧に説明しました。

均等待遇・均衡待遇の考え方

次に大津氏は同一労働・同一賃金に向けた対応実務について解説した。まず正規、非正規など各雇用区分の待遇の差異をまとめた比較表を作成したり、待遇の目的から差異を不合理ではないと説明できるか検討し課題を抽出するなどの作業を進めることです。基本給や賞与、退職金、扶養手当などの重要論点は最高裁の判決待ちですが、影響が大きいため、課題の抽出と人事制度の明確化に取り組む必要があります。

均等待遇・均衡待遇の考え方

今回、主に問題となる均等待遇・均衡待遇は「あらゆる待遇でバランスをとる」「差異はあっても不合理は認められない」という考え方です。判断基準は仕事の内容、責任の程度、転勤や人事異動、昇進などの有無など。まずは雇用区分ごとの労働条件の差異をまとめ、不合理ではないと説明できる理由を明らかにすることです。事業主は短時間。有期雇用労働者が理解できるように資料を活用し口頭で説明するのが基本です。不合理な待遇差があれば是正しなければなりません。職務評価などを通じて正社員と非正規社員の対応関係を明確にする必要があります。

求められる人事制度の明確化と就業規則の見直し

賃金等の待遇は、労使によって決定されることが基本です。しかしながら同時に、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の是正を進めなければなりません。
このためには、

  • ① 正規雇用労働者-非正規雇用労働者両方の賃金決定基準・ルールを明確化、
  • ② 職務内容・能力等と賃金等の待遇の水準の関係性の明確化を図るとともに、
  • ③ 教育訓練機会の均等・均衡を促進することにより、一人ひとりの生産性向上を図る という観点が重要です。

正社員と非正規社員の人事制度全体像

諸手当は生活、職務、実費弁償・割増賃金の別に検討しましょう。就業規則は従来のあいまいな表現ではなく、それぞれの待遇の主旨・目的、決定要素を明確に規定します。

労使合意の重要性が高まる

不合理な待遇差があるかを点検し、その解消に取り組むに当たっては、労使で情報を共有し、話し合うなどによって合意形成を図ることが重要です。大津氏は制度構築に当たっては従来以上に労使交渉による労働条件の設定が重視されることを強調し、セミナーを締めくりました。

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