多品種少量生産の進化や業態の複雑化・複合化の影響で、従来の管理手法では成果が出にくくなっている製造業。当セミナーでは、「儲かっているかどうか」という視点から、製造業が実践するべき「利益計画」と「業績評価」の手法を解説しました。
川口 宏之 氏
ジャパン・ビジネス・アシュアランス株式会社 ディレクター/公認会計士/早稲田大学非常勤講師
利益計画は、まず経営方針と経営戦略が策定され、ブレイクダウンされて中期経営計画が決定し、これを受ける形で立案されます。その策定方法には「トップダウン型」「ボトムアップ型」「折衷型」の3種類があります。
トップダウン型は会社の中期的な数値目標と一致する反面、現場の意見.が無視される恐れがあります。ボトムアップ型は達成意欲の動機付けに有効ですが、甘い予算設定になりがちです。そこで川口氏の推奨するのが、以上のデメリットを解消できる折衷型です。
「折衷型は時間がかかる欠点があります。しかし、これは本質的なデメリットではありません。そもそも経営者は利益計画に時間をかけるべきなのです。儲かっている製造業は、折衷型を採用する傾向にあります」(川口氏)。
利益計画に続いて必要になるのが「予算実績差異分析」です。事業部別、販売エリア別、得意先別、製品別、販売数量・販売単価別に売上目標を積み上げます。積み上げ方式によって、予算未達の際、「どの事業部が」「どの販売エリアで」「どこの得意先に対して」「どの製品が」というように原因を細分化して特定できるようになります。
製造費用を固定費と変動費で分解することで、残された期間で損益分岐点までいくらの売上が必要なのか、コストをいくら削れば良いのかを予測できます。これに使用するのがCVP分析です。CVP分析というのは「原価(Cost)」「営業量(Volume)」「利益(Profit)」の関係を分析すること。損益分岐点分析とも呼ばれます。
ここで川口氏は、CVP分析の実例として、売上高も利益も同じA事業部とB事業部を紹介。会場に向けて問いかけました。「A事業部は変動費が高く、B事業部は固定費の割合が高い特徴を持っています。どちらが優れた事業部でしょうか」。
A事業部は、損益分岐点が低いものの、売上高があがっても利益が大きく伸びることはありません。逆にB事業部は、損益分岐点が高いものの、売上高に従って利益が大きく伸びていきます。「A事業部がローリスク・ローリターン、B事業部はハイリスク・ハイリターンのビジネスです。不況時にはA事業部、好況時にはB事業部が有利です。景気次第で重視する事業が異なります」と、川口氏は解説します。
つづきは…
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