2008(平成20)年以降、立て続けに事業場外みなし労働、定額残業制、名ばかり管理職などに関する重要な判例が示されました。これらの判例が今後、労働時間管理の実務にどのような影響を与えるのか、経営者向け対応策として解説しました。あまりにも衝撃的な内容に大きな反響があり、当セミナーは2度開かれ、2度ともサテライト会場も設けられましたが、すべてが満席となるほど盛況でした。
「『事業場外みなし労働時間制』の問題とは、営業担当の残業代をいかにとらえるか、にほかなりません」と、冒頭で佐藤氏は訴えます。そもそも「事業場外みなし労働時間制」とは、「裁量労働制」に含まれ、実際の勤務時間と関係なく、あらかじめ決められた時間を働いたとみなし、給与を支払う仕組みのことです。1日9時間と協定すればそれ以上の労働をした場合も、それ以下の場合も一律9時間の労働をしたとみなすこととなります。
一般に「営業職は残業代がもらえない」という都市伝説が今でも通用しており、例えば「営業手当 3万円/月、その他、残業代の支給は一切無し」が労使間で当然のように共有されています。経営者の本音としては「営業職に残業代を払いたくない、成果に対して支払いたい」と考えています。営業職の中にも「営業とは残業代が出ないのが当たり前」と考えている方も少なくありません。
ところが、退職時の裁判になりますと、この「事業場外みなし労働時間制」の常識が、一転して覆ります。
判例では、過去に一例しか事業場外みなし労働時間制の適用が認められていないのが実情です。例えば、光和商事事件では、行動予定表の作成と携帯電話の連絡が重視されて、営業職の事業場外みなし労働時間制が否定されています。
サンマーク事件では、「個々の訪問先や注文者との打ち合わせなどについて、被告の具体的な指示はされないものの、原告が事業所外における営業活動中に、その多くを休憩時間に充てたり、自由に使ったりできるような裁量はない」とされました。そして、事業所を出てから帰るまでの時間は、就業規則上与えられた休憩時間以外は労働時間であったとされました。
最高裁までいった判例が、阪急トラベルサポートの海外添乗員の複数にわたる訴訟事件です。会社側は衛星携帯電話や報告書によって添乗員の行動を把握しなければならないとして、事業場外みなし労働時間制を認めませんでした。
「すべての企業が営業担当全員に把握可能な残業代を支給していては、その過半が残業代倒産に陥ることでしょう」と、佐藤氏は問題の深刻さを語ります。
では、どのように対応すればいいのでしょうか。
つづきは…
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