翌期に向けての予算編成時には詳細内訳科目レベルからの積み上げで予算設定をしているが、ホストシステムの制約で実績データはより上位の科目で集計されてしまい、また、本部内の各部署別の予算も設定できない等、きめ細かい部店別科目別予実管理の可視化が実現できていないケースがしばしば見受けられる。
また、本部で一括計上している共通経費等を、さまざまな活動コストを設定した上で各部店に配賦し評価していくというプロセスを組み込んだABC原価管理システムについても、導入はしたものの、各種活動基準等のパラメータ維持保守の煩わしさから、なかなかタイムリーに機能していないことも多い。
一方、実際の支払業務においても、部店毎に会計知識を有する多くの職員が常時携わっており、なおかつ一般事業会社では当然となっている締め日による支払処理もまだまだ浸透していないことが多く、結果として、省力化が進みにくく、また全店での業者別用途別等の各種支払分析も後手に回り、仮説検証を踏まえたトータルとしてのコスト削減が図れていないという悩みを聞くことも多い。
オービックの提供する「経費支払・予算管理システム」は、「経費支払」管理については、部店側では支払用途・金額・支払先・支払期限等を入力するだけで、必要な仕訳もしくは税区分が自動生成される。多段階承認後、支払担当部署では、任意の締タイミングにより、該当する支払先毎に決済データを生成。業者別元帳等を見ながら、全店での支払実績分析が可能となっている。加えて、支払に関する税区分明細を集計し、ホストからは仮受消費税実績を取り込むことにより、煩雑といわれている消費税申告に関連する業務や、源泉徴収税額の自動計算機能により、税務計算業務の省力化もサポートしている。
一方、「予算」管理については、ホスト科目より細かい単位での科目、また、本部内の各部署単位での予実管理が可能である。予算は特に経費科目に限定しているわけではなく、また、「当初予算」「下期見直予算」「期末着地予想」等、何種類でも設定可能である。比較する対象及び集計期間も最大5種類まで設定可能で、単なる過去実績の5期比較以外に、さまざまな切り口での分析が可能となっている。加えて、実績値以外に、「人数」「システム利用率」等の非会計データを基準として、任意の科目を任意の部店に何段階でも配賦することが可能であり、ABC原価管理に近いイメージを経理部門主体で手軽に実現することが可能である。