多くの金融機関様において、従来より表計算ソフト(Excel等)を利用して決算業務を行なっている。リアルタイムで別シートに集計結果がわかり、また帳票レイアウト等の自由度も高いので、長年に渡り受け継がれてきている非常に便利かつ有益な決算業務用支援ツールであるからだ。
ただし、「開発者が不明もしくは属人的であり維持保守性に問題があり、何より決算担当者の人事ローテーションにも支障をきたしている」「度重なる法改正・当局からの要求に対する修正への追随が困難」「システムとしての堅牢性に不安」「セキュリティが脆弱、操作履歴、各データの計算根拠等の内部統制上の監査証跡が取れない」といった数々の問題点も先送りされているのも実情である。
一方で、一時の「J-SOXブーム」が一段落し、経済環境も激変している現在、こうした業務をシステム化する検討過程においても、いわば「決算報告時にしか使用しないシステム」に対する投資としては経営層から見ると慎重にならざるを得ないのも事実である。
オービックの提供する「決算早期化・内部統制強化支援システム」は、豊富な実績を誇る、純国産ERP、統合業務ソフトウェア「OBIC7シリーズ」の会計情報システムをベースに開発されており、会計情報システムならではの操作性の良さや、ロギング・承認制御などの内部統制強化にも有効な運用コントロール基盤を継承したテンプレートとなっている。
また、約20年前より結成している金融融機関向けの専門チームが開発に携わっており、「信用リスク管理ソリューション」等で長年にわたり金融機関向け様ビジネスで培った実績・ノウハウを活かし、金融機関特有の決算集計業務や報告資料作成業務にも対応している。
本システム導入により、補正伝票収集から入力・精査検証といった決算処理のボトルネックを解消しつつ、加えて自由度の高い管理会計機能により、単なる期末決算報告処理以外にさまざまな管理資料・当局向け資料作成や予実管理等、従来からの表計算ソフトの良さも継承しながら内部統制強化を実現することも可能である。
さらに、ERPシステムならではの拡張性で、経費支払・予算管理システム、資産管理システム等と組合わせることにより、「決算期以外にも日常的に活用できる会計システム」としてのコストパフォーマンスも追求している。