同社経営管理部では、制度改正や社内組織の変更に柔軟に対応していくためには、進境著しい会計パッケージソフトへの刷新が最適と判断、数社の会計システムを比較検討した。
「会計業務そのものは汎用的なので、基本機能には大差はないはず。そこで、長期間使用することを前提に、ソフトの導入実績やベンダーのサポート力を重視して選定することにしました。オービック社の場合は、ワンストップ・サポート体制もさることながら、直販という点も魅力でした。自社開発・自社SEによるサポート力が、検討メンバーから高評価を集め、新会計システムはOBIC7に決定しました」
(経営管理課長)
同社が、パッケージソフトを大前提に会計システム刷新に踏み切った理由のひとつに、グループ会社毎に異なっていた会計システムを統一し、本社で一元管理しようという狙いがあった。各社にOBIC7会計情報システムを導入し、経営管理部が各社から会計事務を受託し、一括集中管理することで、グループ各社の効率化・省力化と、決算早期化を目指したのである。
使い慣れた自社オリジナル開発の会計システムからパッケージシステムへの切り換えには、社内にまったく異論がないわけではなかった。しかし、グループ内の決算業務効率化のためには、会計システムの統一は避けて通れない課題だった。
「パッケージシステムに切り換えると決めたら、業務そのものをシステムに合わせて変えていく。それくらいの覚悟が必要ですね。パッケージに対する不安もありましたが、現行業務の見直しを図り、パッケージのカスタマイズを最小限にすることで、導入コストも最小限に抑えることができました」
(資金課 課長代理)
新システムの船出は、順風満帆なわけではなかった。N社グループのデータ量が膨大だったために、当初は決算処理に予想以上に時間を要し、大きな問題になった。経営管理部とオービックの担当SEとが一致協力し、50項目以上の改善を粘り強く行った結果、従来システムよりも大幅な処理時間の短縮に成功したのだった。
新会計システムの導入に際しては、経営管理部では、端末操作マニュアルを制作。グループのユーザー部門への説明会を行ったところ、操作性についても各社の担当者からは好評で、スムーズに受け入れられた。