償却引当てから開示支援、オフサイトモニタリング対応機能を強化。
地域金融機関では、新BIS対策や多頻度化するオフサイトモニタリングに対応するための“システム再構築”の動きが活発化している。その解決策として全国で注目を集めているのが、オービックからリリースされた新世代「総合融資・審査支援システム」だ。好評価の原点に焦点を当ててみよう。
システムの全面刷新に十数億円の投資ができる大手の金融機関は例外として、多くの地域金融機関の悩みの種となっているのが、システム再構築のコストと時間の問題である。結論を先に言うと、オービックの「総合融資・審査支援システム」が注目を集めているのは、最先端の機能はもちろん、既存のシステムを極力活かしながらローコスト&短納期で全体の最適化を図れる点にある。主な特長は、下記5点に要約することができる。
個々の金融機関について、現状の分析から最適且つ具体的な提案が受けられる、業務コンサルテーションが好評だ。
活用できるものは他ベンダーシステムでも活かし、その連携機能までも提案することで、ローコスト・短納期を実現する。まさに独立系のソリューションベンダーならではの強みといえる。
製品体系が、予め部分導入や段階的導入も可能なように考えられている。現場の進み具合に応じた無理のない構築計画の策定と実施支援が可能である。
新世代システムに望まれる機能である「債権明細単位の管理機能」を標準搭載し、これに付随して保全・回収・償却などの経過管理を可能にしている。このため、総括表等の開示資料が即座に作成できる。
全ての情報は融資・審査総合データベースに一元化され、各業務システムとの連携により最新の情報に対して検索・加工・帳票化やExcel化が可能。スピーディーに活用できる。
地域金融機関には、自行内でのデフォルト率の累計モデル化が当局から要求されており、従来のCIF単位の管理では倒産確立のベースとなる事例は把握できても、債権単位の債務不履行率や回収率を捉えることは難しく、債権明細単位での履歴管理と顛末の管理が不可欠となっている。
このため最近は、ホスト勘定系と連携した明細管理へ一気に移行しようとするケースが増えている。しかしこの方法は、膨大な事務作業が必要となり、手作業や既存のシステムでは対応不可能という声も多く、具体的な移行の手法に悩む金融機関からの問い合わせが急増しているという。
こうした金融機関の要望に対して、専門の業務コンサルタントチームが現場へ出向いて、現状の調査分析から複数のロードマップでの構築プランを予算積算込みで提示するオービックのサービスが好評だ。融資・審査企画・経営企画や主計・IT部門といったセクションの幹部や実務スタッフ向けのレビューを通じて、全国各地で具体的なスキームが立ち上がってきている。
債権明細に、保全償却情報が時系列にかつ最新の情報に洗い替えられて連携し、任意の時点で資産査定や開示数値の把握が可能になる。この機能が、新世代システムの重要なポイントである。また、最終的にはラインシートデータとしてデータベースに一元管理され、検査並びに考査時期だけでなく、さまざまな定型の当局向け等報告資料の作成や否定型の資料作成が可能となる。
不動産担保評価管理機能だけでなく有価証券や預金担保といった全ての担保情報や保証情報が管理でき、先の債権明細データとの割付の管理機能により、洗い替えを含めて保全予想額を正確に計算することができる。
以下に2パターンの導入事例を紹介する。この他にも、既存事務フローや情報システムなど各金融機関の抱えるさまざまな状況やニーズに合わせて、オービック金融マーケティング推進部の経験豊富なコンサルタントが、適切なアドバイスと最適なシステム構築を提案する。また、毎年開催される「総合融資・審査システム研究会」におけるユーザー同士の活発な意見交換などを通じ、常に機能強化を図っており、オービックの「総合融資・審査支援システム」は、今後さらなる進化が期待できる。