冷凍加工食品や冷凍水産物輸入卸業に特有の取引処理に柔軟に対応。業界標準をめざした「販売管理システムテンプレート」をリリース。
食の安心・安全への関心が高まり、冷凍加工食品や冷凍水産物などを取り扱う業界では、鮮度管理・品質管理・賞味期限管理のほか、原産地から消費地までのトレーサビリティーが求められるなど、きめ細かい在庫管理・販売管理システムの構築が求められている。
またこの業界では、自社に冷凍倉庫を持たず、外部の営業倉庫(冷蔵庫)などに在庫管理から入・出庫管理、出荷・配送までを委託するケースが多く、不定貫商品管理や都度請求・都度支払、名義変更販売といった、業界特有の業務が多い。
「販売管理システム」導入に際しては、こうした業界特有の取引慣行や業務スタイルに対応できるものが求められる。
その特有のニーズを満たすべくリリースしたのが、オービックの冷凍加工食品卸売業向け「販売管理テンプレート」だ。
本「販売管理テンプレート」は、以下のような特長を備えている。
業界特有の売上・請求対応から、食の安全・安心を支える在庫管理機能、営業倉庫・配送業者や輸入システム連携、輸入諸掛や社内売買を含めた原価・利益管理など、冷凍加工食品ビジネスをきめ細かくサポートしている。
カニ・サーモンなどの魚介類、イクラ・ししゃもなどの水産加工品を輸入し、国内加工食品メーカーに販売する冷凍水産物輸入卸のA社では、個々の商品の原価管理に多くの時間と手間を費やしていた。輸入した商品にまつわる諸経費を洗い出し、ロットごとの商品価格に反映させる作業を手作業でやっていたこともあり、特に決算期には社員の大きな負担となっていた。
それが、本「販売管理テンプレート」を導入してからは、システム上で輸入から入荷、販売まで、一連の流れで処理できるようになった。倉庫関連でも大きな業務改革が実現できた。従来は、委託先冷凍倉庫の配送料のチェックなどが不十分で、倉庫側からの請求に対し支払をしていたのが実情だったが、本テンプレートから冷蔵庫ベースの受け払いデータが出せるようになり、詳細な突合せチェックが可能になった。さらに倉庫・配送業者に対する伝票も自動的に発行できるようになり、漏れや間違いの防止と大幅な省力化を実現できた。A社では、現在では独自のデータベースを構築、さまざまなデータ分析や帳票類の発行にフル活用している。
水産加工食品メーカーのB社では、営業部門、購買部門、加工部門の各部門間での情報共有が不十分であった。同じ社内でありながら、紙で連絡を回す、電話で連絡するなどアナログなコミュニケーションをとっていたため、手間と時間がかかり非効率であった。
本「販売管理テンプレート」を導入後は、社内業務が劇的に改善された。営業担当者は自分のデスクからクリックひとつで、購買部門が何を仕入れたか、加工部門がいくつ製品を作ったかを把握できる。また仕入から加工、販売までの一連の流れをトレースできるようになった。
最大の導入効果は、独立採算制をとる各部門の実績数字をリアルタイムに見られるようになったことだ。同社では本テンプレートを起爆剤とした、業務改革・経営改革を進めている。