食品メーカーにおける「販売情報システム」導入事例

安全・安心・美味しさを追求し続ける江戸時代創業の老舗調味料メーカーが情報の鮮度を求めて、OBIC7販売情報システムを導入。

新たな成長戦略の中核として情報システムを強化

P社はJAS認定工場を持つ調味料メーカーである。徹底した安全管理・品質管理のもと、化学調味料などの食品添加物を使用せずに作り上げる“こだわりの味”が、熱心なリピーターの支持を獲得している。同社では、日々の販売情報を営業活動や経営革新に役立てるべく、長年使用してきた情報システムを「OBIC7販売情報システム」に刷新。事務部門の大幅な効率化と販売データ活用による営業活動の活性化を実現している。

老舗の頑固なもの作りを継承 データ重視の営業へ転換を図る

P社がこだわっているのが、安心・安全・本物の味だ。たとえば人気商品のひとつであるすき焼きのタレは、大量の昆布を使ってだしを取るところから作られる。グルタミン酸ソーダを使えば、製造工程もコストも簡略化できることが分かっていながら、それを善しとせず、無添加・無着色料にこだわる。この物作りの姿勢はユーザーの共感が得られる一方、販売先のバイヤーからは、まず詳細な販売データの提出が求められる。しかし、旧情報システムでは、営業が必要な販売データを即座に出すことができなかった。この状態を打破するため、同社では「OBIC7販売情報システム」への刷新を決断した。

食品メーカーの販売管理業務に、ほぼ標準パッケージのままで対応

旧システムは、自社向けオリジナル仕様で開発したものだが、取引先から求められるデータが不足したり、また出力するにも時間がかかるなど、営業の要求に応えられなくなっていた。そこで同社では、新システムへの刷新を決意し、機能面はもちろん将来性、ランニングコストなどを考慮し複数のパッケージシステムを検討。結果、「OBIC7販売情報システム」の導入を決定した。

OBIC7販売情報システム選定の理由を、P社専務はこう語る。「私たち食品メーカーには、とにかくデータが重要なんです。市販用が200アイテム、業務用が約400アイテムあり、それらの商品の動きを詳細に把握しておかなければなりません。各営業所別、得意先別に前年比をチェックしたり、昨年の同時期には何がどれだけ売れていたかなど、かなり細かくデータを追跡し分析したい──。これが営業からの要望でした。こうした自社のニーズに、オービックのシステムは、ほぼ標準パッケージのままで対応できることが分かり、導入を決定しました」

旧システムからの移行を心配する社員もいたが、データ移行も導入もスムーズであった。またSEのサポートについても、専務は「新システムへの移行には正直不安もありましたが、概ね円滑でした。特に、担当SEの人が足繁く通って説明してくれたので、現場も混乱せずに済みました」と高い評価を下してくれた。

OBIC7「販売情報システム」とデータ活用の全体図

データをExcelで自由に加工 アグレッシブな営業活動へ

P社の商品はすべて自社製品である。つまり、製品に関するデータは、自社でタイムリーかつ詳細に把握しておく必要がある。また、スーパーマーケットも生協も、新規取引では詳細な販売データを添付しないと商談のまな板に載せてもらえないという。

新販売情報システムは、このデータ分析と資料作成の効率を飛躍的にアップさせた。旧システムでは月次の更新後でなければチェックできなかったデータを、リアルタイムで、しかも詳細につかめるようになった。

総務部係長は、業務スタッフ部門の導入効果について次のように語る。「さまざまな情報処理速度が速くなりました。日々の残業もかなり減っていると思います。また、旧システムでは、毎月更新に1時間半くらいかかり、その間何もできないため大きなタイムロスになっていましたが、今では大幅に短縮され、月末月初の帰宅時間も確実に早くなりました。また、以前は売上データからしか出せなかった出荷データを受注データから出せるようになり、長期の生産見込みの精度向上につながりました」

一番喜んでいるのは営業マン、というのは社長の談だ。「従来は紙ベースでしかデータを渡せませんでしたが、今はExcelで渡すことができるので、営業マン自らの手で得意先からの要求に応えたさまざまな資料を加工・作成できるようになりました。当社では一人に1台PCが普及していますので、得意先からの問い合わせにも各営業がスピーディに答えられます」

P社では、今回の販売情報システムに続き、今後は製造管理や仕入管理にまでシステム化を拡充していく計画だ。また、こだわりの商品特性を活かした個人向け通販サービスの準備も着々と進行中とのこと。P社ならではの、情報の鮮度にこだわった一味違うシステム活用に期待したい。

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