情報システムセミナーレポート[2019年 新春] ITトレンド デジタル革命 2019年 今年は何が起きるのか?

2019年2月13日(水) 東京会場

B11
10:00-11:00
デジタル革命 2019年 今年は何が起きるのか?
— 元号改正から最新の人工知能まで —

西脇 資哲氏
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 エバンジェリスト

元号改正、消費税10%など、さまざまなイベントを迎える一方で、AI・人工知能の活用は進み、CPU/GPUからFPGA/ASICへと進化することで、人間並みの知能が実現しようとしています。本講演では、2019年以降のIT最新動向を、デモンストレーションをまじえて解説しました。

マイクロソフトからのお願い

2019年には元号改正があり、消費税値上げ・軽減税率への対応が企業には求められます。これに加え、ITに関するイベントとして、西脇氏はマイクロソフト製品のサポート終了に関するお願いを口にします。まずWindows Server 2008の延長サポートは2019年1月14日に終了し、SQL Server 2008の延長サポートは2019年7月9日に終了します。さらに、Windows 7のサポートが2020年1月14日に終了し、Office 2010のサポートも2020年10月13日に終了します。

西脇氏はWindows XPサポート終了時のことを振り返り、「あの時は消費税の増税も重なってパソコン特需となり、その逼迫とその後の需要の極端な落ち込みがありました。今回も消費税増税が重なっており、同じ苦しみは繰り返したくないと考えています。できれば皆さまには緩やかな対応をお願いする次第です」と呼びかけました。

映像認識/空間認識の重要性

次に、西脇氏は未来の予想の難しさを指摘します。今でこそアメリカ大手ITベンダーが世界の時価総額ランキングのトップを占めていますが、10年前はランキングを中国勢が占めていました。その10年前、中国勢は影さえありませんでした。

このように大きく変化を続ける時代にありながら、近い将来、確実に私たちに強い影響を及ぼす、と西脇氏が断言するものがあります。それが映像認識と空間認識です。

現在注目を集めるキーワードに「IoT」のほか、「ブロックチェーン」「自動運転」「スマートデバイス」「スマートホーム」などがあります。これらに共通するのが「インターネットをベースにしている」ことであり、映像認識と空間認識もこれに属します。

例えば、画像検索。かつてはキーワードによるレコメンドが中心でしたが、現在ではシロネコの画像を見るとシロネコの画像が勧められます。ここに存在するのは「言葉」はなく「映像」であり、それだけ映像の認識と解析技術が発達しているのです。

ここで西脇氏が例として紹介したのが、若者を中心に流行している短編動画共有アプリケーション「TikTok」です。このアプリケーションは、遊びのレベルをはるかに超えた画像処理技術を持っていると指摘します。自動運転の車や飛び交うドローンが決してぶつからないのも、瞬時に空間認識して障害物を避けているからです。

そして、マイクロソフト社が提供している世界初のワイヤレス ホログラフィック コンピューター「Microsoft HoloLens」。ワイヤレスで頭につけるヘルメットタイプのシステムで、Windows10にもこの機能が搭載されています。
「Microsoft HoloLens」の応用範囲は幅広く、製造現場、工事現場、手術などの医療現場で活用されています。
「製造現場の空きスペースに新しい設備機械を設置できるかなどを、仮想的に検証できます。
この機能はFDA(米国食品医薬品局)でも承認されています」(西脇氏)。

「Microsoft HoloLens」の実例を、西脇氏は映像でデモンストレーションしました。日本国内トップレベルの企業がすでに「Microsoft HoloLens」を採用しており、「これなら工事現場で両手が使える」といったメリットも紹介しました。

あらゆるシーンで活用される人工知能

AI(人工知能)は精度を高めており、画像認識、音声認識、文章の読解力は人間以上、機械翻訳は人間同等となっています。その精度を西脇氏は持参のスマートフォンによるデモンストレーションで紹介。話す言葉を認識するだけではなく、正確に外国語に翻訳する模様が会場で実演されました。

また、2019年1月29日に発売された「Surface Headphones」も紹介。ノイズを消して高精度な音声認識を実現することで、翻訳者なしの国際会議が可能になります。

これ以降も、AIのデモンストレーションが続き、会場はスクリーンに引きつけられていきます。まず、近大マグロで知られる近畿大学で取り組んでいる稚魚の選別。続いて、伊勢内宮前おかげ横丁にあるお土産物屋で実践している需要予想。「このお店では精度90%の需要予測で売上を4倍に増やしました。これを従業員に還元。もちろん、残業もなくなりました。これが理想的な働き方改革ではないでしょうか」と西脇氏は強調します。

次はAIによる地球環境への貢献。衛星/航空写真やドローンの映像から森林を分析し、水辺の荒れ地、その変化を解析していきます。積雪量や容積、流れ出る水の予測分析までをAIは可能とします。絶滅危惧が心配されているジンベイザメの追跡では、GPSタグなどを取り付けることなく、表面の紋様から個体を割り出して調査できます。

これら映像認識や空間認識はリアルタイムに行われるものであり、従来のCPUでは限界があります。そこで、紹介するのがFPGA(Field-Programmable Gate Array)です。人工知能による推測を効果的かつ高速に行うことができる集積回路です。
「学習はビッグデータによりじっくりと行いますが、推測は現場でリアルタイムに行います。それを可能にするのがFPGAです」と西脇氏は強調し、その処理スピードをデモンストレーションで明示しました。

終始、時代の進化を実感できる講演で、参加者の多くにとってIT次なる進化の方向を確認できる貴重な時間となりました。

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